東京, 8月30日, /AJMEDIA/
【トレビーゾ(イタリア)時事】試合でも練習でもグラウンドに立てば声を張り上げ、味方を鼓舞する。必要とあらばコーチや同僚に対し、臆せず物を言う。ラグビー日本代表SHの流大(東京SG)は卓越したリーダーシップを買われ、9月8日に開幕するワールドカップ(W杯)フランス大会に副主将として臨むことになった。
リーダーの資質は天性のもの。熊本・荒尾高(現岱志高)時代、監督として指導した徳井清明さんは初めて見た流のプレーを覚えている。当時中学3年生。ボールさばきもさることながら、FWに声を掛け、指示を出しながらゲームをつくる姿が印象的で「直感でジャパン(日本代表)になれる」とまで思ったという。
そんな流も、高校時代にはチームメートに遠慮することがあった。大敗した試合の後に、徳井さんは「伝えたいことがあったら言った方がいいよ。それがリーダーやぞ」と諭した。「きょうみんなに不快な思いをさせても、結果的に分かってくれる時が来る」。こうして資質は磨かれた。
流は当初、他の高校を志望していたが、徳井さんの「お前を絶対に日本代表にする」との言葉を意気に感じて荒尾高を選んだという。恩師が見込んだ通りに桜のジャージーに袖を通した流は、自身2度目となる今回のW杯で代表から引退することを決めている。「最後だから完全に燃焼してほしい」と徳井さん。師弟で追い掛けた夢は、フランスで完結する。