欧州委員長、ジェンダー平等に苦慮 「閣僚」候補の選考で

東京, 9月7日 /AJMEDIA/

2期目を迎えるフォンデアライエン欧州連合(EU)欧州委員長が、「閣僚」に当たる欧州委員の候補選考でジェンダー平等に苦慮している。「EUの人口の半分は女性だ」として、男女比をほぼ同数にしたい意向だが、加盟国からの反応は鈍く「厳しい道のりだ」と弱音を漏らしている。

 欧州委員は1国1枠。加盟国の意向を踏まえて委員長が人事案をまとめ、EU欧州議会が審査し承認する。候補は来週公表される見込みだ。

 2019年に女性初の委員長となったフォンデアライエン氏は、今年7月に続投が決まった直後、加盟国へ宛てた書簡で1期目と同様にジェンダー平等を目指すと表明。現職の留任を希望しない場合は「女性を含む候補2人」を提示するよう求めた。委員長を含む現在の欧州委員27人のうち女性は12人。

 しかし、元ドイツ国防相のフォンデアライエン氏と、同じく女性で6月のEU首脳会議で外交安全保障上級代表(外相)に指名されたエストニアのカラス前首相の出身国を除く加盟25カ国で、女性候補を挙げたのは7カ国だけ。欧州メディアによれば、フォンデアライエン氏はスロベニアやマルタなどに対し、候補を女性に差し替えるよう求めた。

 今月4日の記者会見では、委員人選で「最も重要な基準は能力だ」と述べ、首相や閣僚といった職務経験が必要になると強調。一方で「私は政治家人生を通じて、女性が主導的地位に就くことができるよう闘ってきた。経験上、(そうした地位は)自然に手に入るものではない」とも語り、平等実現に向け指導力を発揮する決意を示した。

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