東証3市場が始動 再編の狙いと課題は―ニュースQ&A

東京, 4月10日, /AJMEDIA

 東京証券取引所の市場区分が4日、東証1、2部、マザーズ、ジャスダックの4市場からグローバル企業向け「プライム市場」、中堅向け「スタンダード市場」、新興向け「グロース市場」に再編された。その狙いと課題は。
 ―なぜ再編したの。
 企業の持続的な成長を促し、市場に国内外の投資資金を呼び込むのが狙いだ。そのために、曖昧だった各市場の特徴を明確化し、上場基準を厳しくした。
 ―基準の内容は。
 最上位プライムの上場基準は市場で売買される流通株式の時価総額が100億円以上、発行株式に占める比率が35%以上などで、原則として基準未達が1年続けば上場廃止となる。コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針、CGコード)に基づき独立社外取締役を3分の1以上確保し、気候変動による事業リスクを開示することなども求められる。
 ―プライムにはどんな企業が集まるの。
 トヨタ自動車など日本を代表する企業を含め、旧東証1部の8割超に当たる1839社が移行した。ただ、このうち295社は基準を満たしておらず、達成に向けた計画書を開示することで当面プライムにとどまれる「経過措置」の適用を受けた。同措置は企業に対する激変緩和を目的とした、いわば特例だ。
 ―経過措置はいつまで?。
 決まっていない。東証は年内に基本方針を示し、CGコードが改訂される2024年ごろに期限を決める可能性がある。投資家からはプライム企業が多すぎるとの批判があり、経過措置の早期終了を求める声も強い。
 ―企業は再編にどう対応しているのか。
 上場基準に満たない中堅企業を中心に、自社株式の流動性を高めるため、取引先と持ち合う株式を削減する動きなどが出ている。投資戦略や株主還元策、中長期の経営計画を詳細に開示し始めた企業もある。こうした再編の効果が広がっていくか注目だ。

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