東京, 9月14日, /AJMEDIA/
来週から始まる国連総会の一般討論演説を前に国連のグテーレス事務総長は、世界の首脳たちに対し「現実的な解決策のために集まるときだ。よりよいあすのために歩み寄るときだ」と呼びかけ、ウクライナ情勢など世界の課題の解決のために加盟国の協力を改めて訴えました。
グテーレス事務総長は13日、ニューヨークの国連本部で記者会見し、現在の世界情勢について「地政学的な分断がわたしたちの対応能力を弱体化させている」と述べ、強い危機感を示しました。
そして、今月19日から始まる国連総会の一般討論演説に参加する世界の首脳たちに対し「わたしの訴えは明確だ。現実的な解決策のために集まるときだ。よりよいあすのために歩み寄るときだ。政治、外交、効果的なリーダーシップとは歩み寄りだ」と述べ、気候変動やウクライナ情勢など世界の課題の解決のために加盟国の協力を改めて訴えました。
一方、記者団がウクライナ情勢をめぐり、国連にできることはあるのかと質問すると、グテーレス事務総長は、加盟国をまとめるのは難しい情勢にあると認めた上で「この危機に対処する状況を作り出すための仲介に全力を尽くす」と述べ、国連として今後も仲介などにあたる考えを示しました。
また、ロシアのプーチン大統領と北朝鮮のキム・ジョンウン総書記が会談し、軍事技術協力の拡大などを協議したとみられることについて「いかなる形でも北朝鮮と協力する国は安保理の制裁決議を尊重しなければならない」と述べ、北朝鮮からの武器の調達を禁止した安保理決議をすべての国が順守しなければならないと強調しました。
モロッコやリビアへ“緊急支援届けるため あらゆる手段講じる”
グテーレス事務総長は13日、記者会見の冒頭、「北アフリカで相次いだ悲劇的な出来事について、はじめに触れたい」と切り出し、「モロッコの壊滅的な地震とリビアの大洪水の影響を受けたすべての人たちに、深い哀悼の意を表明したい」と述べました。
その上でグテーレス事務総長は「国連は、必要とする人たちに緊急支援を届けるため、あらゆる手段を講じていく」と述べ、国連として支援に全力を尽くす考えを強調しました。