右派野党が支持率トップ 総選挙まで1週間―スペイン

東京, 7月16日, /AJMEDIA/

【パリ時事】スペイン下院(定数350)総選挙は23日の投開票まで一週間に迫った。サンチェス政権打倒を目指す中道右派の最大野党・国民党が世論調査の支持率でトップを走り、第1党の座をうかがう。ただ、単独での過半数(176議席以上)獲得は難しく、約5年ぶりの政権交代を実現させるには、「反移民」を掲げる野党第2党・極右ボックス(VOX)との協力が選挙後に必要となる見込みだ。
「英語、話せない」 スペイン最大野党党首

 サンチェス首相は5月下旬、中道左派与党の社会労働党が地方選に大敗すると、解散・総選挙の勝負に出た。選挙戦では、着実な景気回復や物価高抑制など、経済面の実績をアピール。極右に政権を任せるのは「どこにつながっているのか分からない恐ろしいトンネル」に入るようなものだと主張し、有権者の不安をあおって追い上げを図る。
 半面、サンチェス氏は政権運営上、バスク、カタルーニャ地方の独立を訴える小政党に協力を仰いだ。国民の反感は大きいとされ、与党の支持回復に向けた動きも鈍い。スペイン通信は、選挙の争点は「特定の政策ではなく、首相(を信任するか否か)だ」と伝えた。23日は上院(定数265)選も行われる。
 世論調査に基づく下院の予想議席数は国民党が140台、社労党が100台、極右VOXと急進左派連合スマールが各30台。国民党は北西部ガリシア自治州首相として和歌山県との友好に努めたフェイホー党首が率いる。
 スペインで極右が政権入りすれば、フランコ独裁政権(1939~75年)後で初めて。欧州では移民の増加などを背景に、イタリアで極右を中心とするメローニ右派連立政権が昨秋発足し、ドイツやフランスでも極右が台頭している。

Follow us on social

Facebook Twitter Youtube

Related Posts