東京, 7月24日, /AJMEDIA/
【マドリード時事】23日投票のスペイン下院(定数350)総選挙は即日開票された。政権批判を展開した中道右派の国民党が支持を集めて議席を増やし、第1党に躍り出た。ただ、過半数(176議席)には届かず、サンチェス首相率いる中道左派・社会労働党も事前の予想を覆して善戦した結果、次期政権の行方は混沌(こんとん)とした状況となっている。
「最も危険な賭け」、結果は? スペイン首相は冒険好き―総選挙
開票結果を受け、サンチェス氏と、国民党のフェイホー党首は、それぞれ勝利を宣言した。
開票は終わり、国民党の議席は136と、2019年の前回選挙で獲得した89議席から47増。社労党は122(前回120)、極右ボックス(VOX)は33(同52)、急進左派連合は31(同35)。投票率は70.4%だった。
国民党とVOXの合計議席と、社労党、急進左派連合、協力関係にある小政党を合わせた議席は共に170近辺で伯仲。左右各陣営による連立交渉はし烈を極めそうだ。政権樹立が困難なら再選挙の可能性もある。
サンチェス氏は18年に首相に就任し、20年に左派連立少数内閣を発足させた。政権運営などを批判され、今年5月の地方選で社労党が大敗。解散・総選挙の勝負に出ると「国民党とVOXによりスペインは古い時代(フランコ独裁体制)に連れ戻される」と訴え、浮動票の取り込みに力を入れた。
国民党は世論調査で支持率トップを独走し、5年ぶりの政権奪還を目指した。ただ、選挙戦の最終盤にはフェイホー党首のかつてのスキャンダルが蒸し返される場面もあった。
1975年のフランコ総統死去で独裁体制が幕を閉じ民主化したスペインで、極右が政権入りすれば初めて。イタリアに続き欧州連合(EU)主要国で極右が国のかじ取りに参画するか、欧州各国が注視する選挙となった。