東京, 9月23日, /AJMEDIA/
千葉県柏市の国立がん研究センター東病院に勤務していた医師が、東京のメーカーの医療機器を手術で使う見返りに現金を受け取ったとして逮捕された事件で、このメーカーの機器を別の医師が使った場合も、逮捕された医師に現金が支払われる仕組みになっていたことがわかりました。警視庁は、院内で積極的に使うよう働きかけていなかったか実態を調べています。
千葉県柏市の国立がん研究センター東病院で「医長」を務めていた橋本裕輔容疑者(47)は、東京・千代田区のメーカー「ゼオンメディカル」の医療機器を手術で使う見返りに現金170万円を受け取ったとして収賄の疑いで、メーカーの元社長柳田昇容疑者(67)は、贈賄の疑いでそれぞれ逮捕され、23日午前、検察庁に送られました。
これまでの調べによりますと、橋本医師はカテーテル治療で使う「ステント」という機器の評価をメーカー側にフィードバックする調査報告の名目で、1本使うごとに1万円の謝礼を受け取る契約を結んでいたとみられています。
その後の調べで、このメーカーのステントを別の医師が使った場合も、橋本医師に現金が支払われる仕組みになっていたことが捜査関係者への取材でわかりました。
橋本医師が「医長」になってから診療科で使われるステントの半数以上が「ゼオンメディカル」社製になっていて、警視庁は謝礼を多く受け取るために積極的に使うよう周囲に働きかけていなかったか、癒着の実態を調べています。