東京, 8月29日 /AJMEDIA/
前夜は延長サヨナラ負け。西武に漂う重苦しい空気を振り払う鋭い弾道が、左翼へと伸びていった。佐藤龍が一回に先制2ランを放ち、4番の仕事をいきなり果たした。
初顔のカイケルのツーシームにバットを振り抜いた。「打った瞬間、気持ちいいと思うくらい、確信できるホームラン」。完璧な感触を率直な言葉で表現した。
8月の月間打率は試合前の時点で3割9分1厘。左手の負傷から今月中旬に復帰してから快音が止まらない。不振のチームにあって相手のマークは当然集中し、「今までにないぐらい内角に来る」。それでも「気にしては駄目」。死球を受けた翌日もケロッとした顔で出場する姿を、渡辺監督代行は「あいつは我慢の人」と評価する。
好調の要因を「離脱した2カ月、しっかり自分と向き合えた」と話す。チームは低迷し、もがき続けているが、「主力候補」と目される27歳が飛躍の足掛かりをつかめば、このシーズンにも意味を見いだせる。