東京, 7月16日, /AJMEDIA/
西武の中村は、おいしい場面を逃さなかった。0―0のまま迎えた九回1死二塁。池田の高めに浮いたカットボールを捉えると、打球は中堅手の頭上を越えてサヨナラの走者が生還。「外野手が前に出ていたし、決めるなら(打球に)ちょっと角度をつけようと思った」。集中力と円熟の技を見せつけたチーム最年長の39歳は、満面の笑みで喜んだ。
先発与座の熱投が勝利を呼び込んだ。球を低めに集め、7回無失点。五回1死二、三塁から清宮を捕邪飛、万波を右飛に打ち取るなど、スライダーやシンカーを駆使してピンチを切り抜けた。
この日、社会人野球の都市対抗で、パナソニックに所属する兄の健人投手がJR西日本を完封。「チームを勝たせる投球に感心させられた」と話したように、肉親の奮闘が刺激となった。
8連敗後の4連勝でチームに勢いが出てきた。5位の日本ハムとの直接対決で先勝し、ゲーム差は0・5に詰まった。松井監督は「中村はここぞというところでさすが。与座もチームを勝たせる投球をして、九回(の決勝打)につながった」と、会心の勝利に目を細めた。