東京, 02月21日 /AJMEDIA/
台湾当局が離島の金門島の沿岸に設定している「禁止水域」を20日、中国当局の船が無許可で航行しました。今月14日に起きた漁船転覆事故に乗じて圧力をかけ、台湾の法執行の範囲を狭めようというねらいがあるとみられます。
台湾の沿岸警備を担当する海巡署によりますと、20日午前、中国南部、福建省アモイに近い金門島に中国当局の船1隻が接近しました。
金門島は台湾当局が実効支配し、沿岸に中国船が許可なく進入するのを禁じる「禁止水域」や「制限水域」を設定していて、海巡署の巡視艇が無許可で入らないよう無線などで呼びかけましたが、中国当局の船はこれらの水域をおよそ1時間にわたって航行したということです。
金門島の沿岸では今月14日、海巡署の取締りを逃れようとした中国の漁船が転覆して、乗っていた4人のうち2人が死亡し、反発した中国当局はこの海域でパトロールを強化すると表明しています。
「禁止水域」や「制限水域」はこれまで中国当局にも暗黙の了解があったとされていますが、14日の事故後、中国当局はこれらの水域の存在を否定する談話を発表しています。
漁船転覆事故に乗じて圧力をかけ、台湾の法執行の範囲を狭めようというねらいがあるとみられ、中国当局が20日のような船の航行を今後繰り返すことも考えられます。