与党、経済対策で歳出圧力 支持率低迷で危機感

東京, 8月30日, /AJMEDIA/

自民、公明両党が物価高対応を含む追加経済対策の策定に向け、政府に歳出圧力を強めている。国民に広がる物価高への不満が内閣支持率の低迷につながっているとみて、大規模な経済対策を実行するための2023年度補正予算案の編成を視野に入れる。対策の規模や時期によっては衆院解散・総選挙の日程に影響を与える可能性もある。
内閣支持26.6%、過去最低水準 マイナ対応、7割評価せず―時事世論調査

 「ガソリン(高騰)対策は早急に行う。それ以外の電気や、賃上げ支援策などは総合経済対策でまとめ、実行する」。自民の茂木敏充幹事長は29日の記者会見で対策は2段階とする考えを示した。9月末が期限のガソリン補助金制度をまず延長・拡充し、その上で中小企業支援などを盛った総合対策を検討する。
 岸田文雄首相の指示を受け、自民は29日の政調全体会議でガソリン補助金の延長・拡充案などを決定した。物価高のさなかに党女性局のフランス視察が世論の反発を浴びた経緯もあり、出席した議員からは「政治家は海外で遊んでいると見られている」「負担軽減を国民が実感できれば支持率が反転する」との発言が相次いだ。野党が求める、ガソリン税を一時的に引き下げる「トリガー条項」凍結解除に同調する声も上がった。
 報道各社の世論調査では内閣支持率は横ばい、下落傾向にある。これを受け、与党内では燃料高分野以外も盛り込んだ総合経済対策を求める声が高まる。自民の世耕弘成参院幹事長は29日の会見で「需給ギャップが若干存在しており、経済対策での補正予算(編成)は視野に入れなければいけない」と強調。公明の山口那津男代表も会見で、「冬場を迎える前にしっかり経済対策を取る必要がある。必要があれば補正予算は排除しない」と語った。
 総合対策では電気・ガス代支援の継続に加え、中小企業や半導体産業への支援策などを打ち出す見通し。ただ補正予算については「9月中に編成作業は終わらない」(政府関係者)との見方が多い。秋の臨時国会で補正成立を目指すとすれば、一部で取り沙汰されている「10月22日投開票」の総選挙を実施する衆院解散は困難になるとみられる。補正と解散に関する首相の判断が焦点となる。

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