ロシアの電撃戦、「失敗」 楽観、戦争犯罪も―防衛白書

東京, 7月23日, /AJMEDIA/

 2022年版防衛白書はロシアによる「ウクライナ侵略」について、ロシア軍の過信などを指摘し、首都キーウ(キエフ)の早期掌握をもくろんだ電撃戦は「失敗した」との見解を示した。ロシア軍の戦争犯罪にも触れた。
 白書は、2014年のウクライナ南部クリミア半島「併合」の成功体験を踏まえ、ロシア軍がウクライナの抵抗意思や軍の能力について「楽観的な見積もりを有していた」などと記述。プーチン政権下で近代化を進めたロシア軍の能力向上に自信を深めていたことも侵略を決断した要因と考えられるとした。
 しかし、偵察衛星の能力不足やミサイル補給体制への懸念などから、ウクライナ軍の防空網を十分破壊できずに侵攻。一元的な指揮の欠如により、地上部隊の分散化も招き、ウクライナ側に撃破されたとの見方を示した。
 キーウなどの大都市掌握に失敗した後、多連装ロケットによる住宅地の砲撃などにより「非戦闘員に対する無差別攻撃をさらに強化した」と明記。ロシア軍占領下に置かれた地域では「民間人の虐殺など、ロシア軍などによる戦争犯罪が起こったものと考えられている」と指摘した。
 白書はロシア側に甚大な損害が出た可能性にも言及し、「ロシア軍の大規模な戦争遂行能力自体に疑問符が付くことになった」と分析した。

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