東京, 4月8日, /AJMEDIA/
ラットの細胞から作った「ES細胞」を使って、正常に機能する精子や卵子のもととなる細胞を作り出すことに成功したと、東京大学などのグループが発表しました。
マウス以外の動物で成功するのは世界で初めてで、将来的に生殖医療などへの応用につながると注目されています。
この研究は、東京大学医科学研究所の小林俊寛特任准教授などのグループが科学雑誌の「サイエンス」で発表しました。
グループでは、マウスよりも生理学的な特徴がヒトに近いとされるラットを使い、このラットのES細胞を液体に浮かべた状態で培養しました。
そして特殊なたんぱく質を加えたところ、精子や卵子のもととなる「始原生殖細胞」という細胞に変化させることに成功したということです。
さらに、この細胞を精子を作ることができないようにしたラットに移植したところ、精子が作られるようになり、そこから子どものラットが生まれることなども確認したということです。
グループによりますと、ES細胞から正しく機能する始原生殖細胞を作り出すことは、これまでマウスでしか実現しておらず、ラットで成功したのは世界で初めてだということです。
小林特任准教授は「マウス以外の動物で受精する能力のある生殖細胞を作ることに成功したのは大きな意味がある。将来的にはヒトの生殖医療などへの応用につながっていくと考えている」と話しています。