東京, 5月17日 /AJMEDIA/
ラッコが硬い殻の貝を石などの道具を使って割る行動は、雌の方が雄より多いことが分かったと、米カリフォルニア大サンタクルーズ校やモントレー湾水族館などの研究チームが17日付の米科学誌サイエンスに発表した。米カリフォルニア州沿岸で約200匹を長期間調査した成果。雌は雄より体格が小さく、かむ力が弱いほか、妊娠や子育てで餌を多く確保する必要があるためだという。
ラッコは哺乳類のイタチ科で、雌雄とも海中で体温を維持するのにエネルギーを消費する。群れの生息地ではアワビやウニが先に食べられてしまい、石などの道具を使う雌が食べている餌は、道具を使わない個体や道具を使う雄の餌に比べ、硬い殻の貝や甲殻類が多かった。
一方、雌雄とも道具を使う個体は使わない個体に比べ、歯が欠けたりすり減ったりする程度が小さいメリットがあった。
調査は2000~14年に雌154匹と雄42匹を対象に実施。いったん捕獲して個体識別タグと電波発信機を取り付けてから放し、観察を続けた。