ユース五輪 フィギュアスケート男子シングル 中田璃士は5位

東京, 01月30 /AJMEDIA/

韓国で行われているユースオリンピックのフィギュアスケート男子シングルのフリーで、前半のショートプログラムで13位と出遅れた15歳の中田璃士選手が後半で巻き返し、順位を8つ上げて5位に入りました。

カンウォンユースオリンピックは29日、フィギュアスケート男子シングルの後半のフリーが行われ、日本からは今シーズン、ジュニアのグランプリファイナルを制した中田選手と、17歳の垣内珀琉選手の2人が出場しました。

このうち前半のショートプログラムでミスが重なり13位と出遅れた中田選手は、冒頭の4回転トーループこそ着氷が乱れたものの、続くトリプルアクセルと3回転トーループの連続ジャンプと、単発のトリプルアクセルはいずれも出来栄え点で加点されました。

このあとのジャンプもすべて着氷し、3つのスピンはいずれも最高評価のレベル4を獲得して、フリーでは全体で2位となる142.70をマークして巻き返しました。

中田選手は合計198.29で順位を8つ上げて5位に入りました。

一方、垣内選手は前半のジャンプでは着氷に乱れがあったものの、スピンはすべて最高評価でそろえるなど、躍動感のある演技で観客を沸かせ、フリーは124.77、合計185.88で、こちらも前半の8位から順位を上げて7位でした。

金メダルは合計216.73をマークした地元、韓国の選手でした。

中田璃士 躍進の影には先輩アスリートたちのことば
ミスが重なり涙を流したショートプログラムから中1日。

中田璃士選手のフリーでの躍進の影には先輩アスリートたちのことばがありました。

日本代表として日の丸を背負って臨んだユースオリンピックの大舞台。

前半のショートプログラムではかつてない緊張に、押しつぶされそうになりました。

3回転ルッツが1回転となるミスが出ると「何が起きたか分からなくなった」と、続くスピンでは途中でバランスを崩して両手をついてしまう、めったにないミスをしてしまいました。

自己ベストには遠く及ばない得点が発表されると、肩を落とし涙を流しました。

中田選手はコーチも務める日本人の父親とイギリス人の母親を持つイギリス生まれの15歳で、千葉県船橋市の中学校に通う3年生です。

ジャンプ、表現力ともに評価が高く、今シーズンは初出場を果たしたジュニアのグランプリファイナルでショートプログラムの4位から逆転で優勝を果たすなど、順調にステップアップしてきました。

そうして迎えたユースオリンピックでしたが、前半のふがいない演技には、気持ちが落ち込んだといいます。

フリーに向けてどう気持ちを切り替えるのか。

中田選手の助けとなったのは、これまで日本代表として世界の舞台で戦ってきた先輩アスリートのことばでした。

YouTubeで元大リーガーのイチローさんや元サッカー日本代表の本田圭佑選手などの名言が集められた動画を見て、そのことばに勇気をもらったといいます。

「失敗しても次に生かして何かを学べたらいい」という先輩たちの考え方に背中を押されました。

「いつまでも落ち込んでいてはいけない」と臨んだフリーでは2本のトリプルアクセルを決めるなど巻き返しました。

中田選手は「今までのどんな大会よりも緊張したしショートの後はすごく悔しかったが、立て直してフリーでこういう演技をできたことはよかった。動画のことばにあったように失敗から成長できていたらこの大会の収穫だと思う」と振り返りました。

そのうえで「将来オリンピックの選手になれるかどうかは分からないけれど、そこを目指す中で、今回のことを毎日思い出してその舞台に立てたときには同じような失敗をしないように これから練習していきたい」と将来を見据えて力強く話していました。

初めて経験したオリンピックの名がついた舞台での失敗を、これからどのように生かし、成長につなげていくのか。

15歳がフリーで見せた堂々とした演技はその期待を大きく膨らませるものでした。

7位の垣内「今できることはすべてできた」
前半の8位から1つ順位を上げて7位に入った垣内選手は「今できることはすべてできたかなと思う。最初から最後まですごく気持ちよかったしショートの失敗を晴らすことができて思い出の舞台になった」と充実感をにじませました。

来月開幕するジュニアの世界選手権にも出場が決まっていて、「この大会でとても貴重な経験を積むことができた一方で課題もしっかりあるので、そこをしっかりと改善して世界ジュニアで、もっとうまくなった自分を見せれたらなと思う」と話していました。

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