東京, 10月9日, /AJMEDIA/
オンライン上の仮想空間「メタバース」上で創作活動を行う「クリエーター」の育成に向けて、企業と教育機関がタッグを組み始めた。メタバースでは、個人がキャラクターなどのデジタルコンテンツをつくったり、販売したりすることで経済圏を支える役割を担う。日本発の次世代クリエーターを育てられるかは、国内関連産業の盛衰を占うカギを握りそうだ。
米メタ(旧フェイスブック)は9月、通信制高校を展開する学校法人角川ドワンゴ学園との連携を発表した。1200人以上の生徒を対象に、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)の教育プログラムを展開する。東京都内で開かれた先行プログラムの発表会では「メタバースの学校」をテーマに生徒がVR作品を披露した。
メタでアジア太平洋地域の公共政策を統括するサイモン・ミルナー氏は「メタバースは将来、数年前に存在しなかった仕事を数多く生み出す。その最前線にいるのがクリエーターだ」と連携に期待感を示した。
IT関連の専門学校を運営するデジタルハリウッドは、メタバースの代表格とされる世界的オンラインゲームプラットフォーム「ザ・サンドボックス」との協業を発表した。サンドボックスでは、誰でもアイテムやキャラクターをデジタル資産「NFT(非代替性トークン)」として作成、販売することができる。
全国で計150人を対象に開く講座では、現役で活躍するクリエーターが講師を務める。自身もクリエーターで、日本でのサンドボックス運営に携わるベン・マシューさんは「日本のクリエーターが世界で活躍できるよう準備していきたい」と話している。