東京, 8月25日 /AJMEDIA/
打ち上げ後に見つかった不具合のため、地球への帰還が大幅に遅れている航空機大手ボーイングの宇宙船について、NASA=アメリカ航空宇宙局は国際宇宙ステーションにとどまったままとなっている宇宙飛行士2人を乗せて帰還させる計画を断念し、2人は別の宇宙船で帰還することになりました。
ボーイングが開発を進めてきた新しい宇宙船スターライナーは、ことし6月、試験飛行のため、NASAの宇宙飛行士2人を乗せて打ち上げられ、国際宇宙ステーションに到着しました。
この宇宙船は当初、1週間程度で地球に戻る予定でしたが、推進装置の一部に不具合が見つかり、2か月以上、国際宇宙ステーションにとどまったままになっています。
これについてNASAは、24日、会見を開き、スターライナーに2人を乗せて帰還させることを断念したと発表しました。
新しい計画では、アメリカの企業、スペースXが、来月以降に打ち上げる予定の宇宙船の乗組員を4人から2人に減らし、宇宙ステーションに到着後、スターライナーの2人も乗せて、来年2月に帰還するということです。
NASAのネルソン長官は「今回の決定は、われわれが安全への責任を果たした結果だ。安全は私たちが最も大切にしている価値観だ」と強調しました。
スターライナーは、今回の試験飛行を経てNASAが承認すれば、国際宇宙ステーションと地球との間を行き来する手段になる予定でしたが、計画の変更で先行きは不透明になっています。