東京, 02月15 /AJMEDIA/
パリのセーヌ川沿いで古本やポスターなどを販売する露店について、パリの警察当局はパリオリンピックの期間中、警備上の理由から半数ほどを撤去する計画でしたが、フランスのマクロン大統領は、地元の反対を受け、一転、この方針を撤回し、撤去しないよう指示しました。
パリ中心部、シテ島のセーヌ川沿い周辺には「ブキニスト」と呼ばれる、貴重な古本やポスター、絵はがきなどを売る露店が200余り並んでいます。
パリの警察当局はことし7月に開幕するパリオリンピックで、セーヌ川で開会式や一部競技が行われるため、警備上の理由からこうした露店の半数ほどを大会期間中撤去する計画を示していました。
しかし、地元からは文化を排除するのは納得できないと反対の声があがっていました。
こうした中、フランス大統領府は13日、マクロン大統領が一転、この方針を撤回し、警察などに撤去しないよう指示したと発表しました。
理由について大統領府は「ブキニストはパリの生きた遺産であり、関係者との間で解決策が見いだせない」としています。
ノートルダム大聖堂の近くで露店を営む40代の女性は、NHKの取材に対し「ブキニストはパリの風物詩でパリの魅力ですから、今回の大統領の決定はとても良いニュースです」と話していました。
一方、開会式は30万人ほどの観客が想定されており、開幕まで半年を切る中、警備態勢が整うのか、懸念の声もあがっています。