東京, 02月08 /AJMEDIA/
ロシアとドイツを結ぶ海底パイプラインで2022年に起きた爆発について、スウェーデンの検察当局は「国民の関与を示す証拠は見つからなかった」などとして、1年以上続けてきた捜査の終了を発表しました。今後は、ドイツ当局などの捜査の行方が焦点となります。
バルト海を経由してロシアからドイツなどヨーロッパへ天然ガスを送る海底パイプライン「ノルドストリーム」では、2022年9月に爆発が起き、大量のガスが漏れ出しました。
自国の排他的経済水域で2か所のガス漏れが確認されたスウェーデンでは、検察当局が現場近くから爆発物の一部が見つかったとして、何者かによる破壊工作と断定し、周辺の船舶の動きを解析するなどして捜査していました。
検察当局は7日の声明で、「捜査の結果、スウェーデンの国土または、国民の関与を示す証拠は見つからなかった。スウェーデンの司法権は適用されないと言える」として捜査の終了を発表しました。
そして、ドイツやデンマークなどの当局と協力してきたとしたうえで、ドイツでの捜査で証拠として使える資料を提供したとしています。
爆発は、ロシアによるウクライナ侵攻が続く中で起きたことから高い関心を集め、欧米のメディアは、ウクライナやロシア、それにアメリカが関与した可能性などを報じていますが、各国とも否定し、真相は明らかになっていません。
今後はドイツ当局などの捜査の行方が焦点となります。
ロシア報道官「注目に値する決定」
ロシア大統領府のペスコフ報道官は7日、スウェーデンの検察当局が捜査の終了を発表したことについて「注目に値する決定であり、このようなかたちで捜査が打ち切られたことも注目される。今後、ドイツ当局がどこまで徹底的に捜査するか知りたい」と述べました。
ノルドストリームの爆発についてロシア側は関与を全面的に否定する一方、「国家が関与したテロ」だと非難し、アメリカなどが関わったと可能性があると主張しています。