東京, 7月05日 /AJMEDIA/
屈指の難度で知られるタヒチの海を、サーフィン女子のバヒネ・フィエロ(24)=フランス=は「私のホーム」と呼ぶ。慣れ親しんだ海で開催される五輪の開幕を心待ちにしている。
サーフィン競技はパリから約1万6000キロ離れた仏領ポリネシアのタヒチ島で行われる。フィエロはさらに170キロ離れた人口約6000人のフアヒネ島で育った。幼い頃から姉妹とともにサーフィンに親しみ、14歳で進学のためタヒチ島へ。以来、世界有数のサーフスポットで波に乗るようになった。
当初は「怖くて挑戦できなかった」という開催地チョープーの大波を、今では堂々と乗りこなす。自信が持てるようになったのは4年ほど前からと言い、「恐れてはいけない。波のパワーと調和すること、波とつながることが、ここでは一番大切」。独特の表現で奥深さを語る。
今年5月には、五輪と同じ会場で行われた世界最高峰のプロ大会、チャンピオンシップ・ツアーで優勝。下部ツアーを主戦場とするフィエロはワイルドカードによる出場だったが、トップ選手を次々に破って頂点に立った。「ここで勝てたことは特別。夢の一つがかなった」。特徴的な「チューブ」と呼ばれるトンネル状の波を鮮やかにくぐり抜け、高得点を出して会場を沸かせた。
前哨戦を制して地元サーファーの強みを示し、金メダル候補の筆頭に挙げられる。「地元で五輪が開催される、人生で一度きりの機会。とても美しい、素晴らしい瞬間になるはず」とフィエロ。家族や地元の仲間から温かい声援を受け、大舞台に臨む。