東京, 11月 20 日, /AJMEDIA/
イスラエル軍は、イスラム組織ハマスの拠点があるとして突入したガザ地区最大の病院シファ病院の敷地内に、地下トンネルを発見したとする映像を公開しました。これに対し、中東のメディアは「ガザ地区の保健省の幹部は真っ赤なうそだと話している」と報じています。
イスラエル軍は、シファ病院の敷地内の地下に深さ10メートル、長さ55メートルのトンネルを発見したとして、19日に、その映像を公開しました。
イスラエル軍は「病院がハマスによるテロ行為の隠れ場所となっていることを明確に示している」として、軍事作戦の正当性を強調しました。
これについて、中東の衛星テレビ局アルジャジーラは「ガザ地区の保健省の幹部は、イスラエル側の主張について『真っ赤なうそだ』と否定している」と報じています。
また、イスラエル軍は19日、ハマスが奇襲攻撃を行った当日の10月7日のシファ病院内だとする映像を公開し、病院がハマスの拠点として使われていたと主張しました。
公開された映像では、病院のロビーのような場所から複数の人物が1人の人物を建物の奥に連れて行くように見える様子や、廊下のような場所で、ストレッチャーに乗せられたけがをした男性が部屋の中に運び込まれていくような様子が映っています。
イスラエル軍は、ハマスに連れ去られた人質を映した映像だと主張していますが、顔などをはっきりと確認することはできません。
これに対して、ハマスは「われわれは以前から、けがをした人質を手当てや手術のために病院に搬送してきたと言ってきた」などと反論しています。
一方、イスラエルの有力メディア、ハーレツは18日、人質の解放に向けたイスラム組織ハマスとの交渉について、戦時内閣のなかで意見が割れていると指摘する記事を掲載しました。
記事では、軍や情報機関の幹部らが、軍事作戦を止めるべきではないと主張する一方、野党の党首などは人質の解放を優先することを訴えているとしています。
また、ネタニヤフ首相は、最終的な立場を明らかにしていないとしています。
アメリカの有力紙ワシントン・ポストは、人質解放の交渉が合意に近づいていると伝えていますが、イスラエルの戦時内閣での意見の相違が、交渉の行方に影響する可能性もあります。