イスラエル、さらなる強硬路線の可能性 トランプ氏勝利、イランは対決姿勢―米大統領選

東京, 11月6日, /AJMEDIA/

パレスチナ自治区ガザやレバノンへの攻撃を続けるイスラエルは、米大統領選で「親イスラエル」がより鮮明なトランプ前大統領の勝利を望んでいた。イスラム組織ハマスやイスラム教シーア派組織ヒズボラとの戦闘で、これまで以上に自由に活動できるとの期待があるためだ。トランプ氏が返り咲きを決めたことで、イスラエルのネタニヤフ政権が一層強硬路線に傾く可能性もある。

 トランプ氏はかねて、ガザでの「戦闘終結」を主張してきた。中東の政治専門家ハートル・アブディアブ氏は「トランプ氏は戦争をより早期に終わらせるため、ネタニヤフ氏への圧力を高める」と指摘。それでも人道的理由から弾薬供給の一部を停止したバイデン米政権と異なり、早期終結を口実とした攻撃強化など、イスラエルの戦略を容認する可能性があると見通した。

 一方、パレスチナ側にとっては苦難の再来となりそうだ。トランプ氏は前回の任期中、エルサレムをイスラエルの首都と認めるなど、露骨なイスラエル偏重政策を進めた。パレスチナ国家樹立を認める「2国家共存」による中東和平にも消極的だ。

 一方、ハマスやヒズボラの後ろ盾であるイランは、米国との対決姿勢を強める構えだ。トランプ氏は在任中、イランへの「最大限の圧力」を掲げ、核合意離脱やイラン産原油禁輸などの制裁強化のほか、精鋭軍事組織「革命防衛隊」司令官も殺害し対イラン敵視政策を進めた。イランでは7月に改革派大統領が就任。国際協調を志向する機運も高まる中、米新政権の出方を注視するとみられるが、トランプ氏の再登板で米国との緊張が一段と増すのは必至だ。

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