あなたの意見、議場でどうぞ 身近な議会へ模索―統一地方選

東京, 4月13日, /AJMEDIA/

地方議員の成り手不足が深刻化する中、議会と住民の距離を縮めようと、改革に乗り出した自治体がある。住民が直接議場で発言できる機会を設けるなど、活性化に向け模索が続いている。
 愛知県犬山市議会は2018年から「市民フリースピーチ」を導入した。市民が市政に関して5分間自由に発言できる制度で、原則会期内の平日の夜か日曜に実施。5年間で延べ48人が街づくりや環境問題などへの思いを語った。
 19年には当時小学4年の女子児童が母親と登壇し、市立中学の制服について「性別に関係なく着られれば」と提案。議会側は市教育委員会に検討を要請し、21年度から性別を問わずスカートかスラックスを選べるよう見直された。議会事務局担当者は「誰かが関心を持てば政策に結び付くこともある。続ける価値はある」と話す。
 長崎県小値賀町議会は、一般質問の内容に対して傍聴者が発言できる「模擬公聴会」を15年から実施。傍聴者の意見や質問にはその場で議員や町職員が答える。
 17の離島から成る同町は町議の高齢化が進む。模擬公聴会は、成り手不足に危機感を抱いた議会が始めた改革の一環で、傍聴席が埋まる日も出るようになったという。
 地方議会は日常生活に関わる問題を話し合う場でありながら、身近な存在とは言い難い。礒崎初仁中央大教授(地方自治論)は、議会への住民参加を広げることについて、「生活者の多様なアイデアが政策に反映されるようになる。議会への関心が高まり、議員候補の掘り起こしにもつながるのではないか」と話している。

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