東京, 11月11日, /AJMEDIA/
各国政府が気候変動対策について話し合う国連気候変動枠組条約第29回締約国会議(COP29)が11月11日から22日まで、アゼルバイジャン・バクーで開催されます。国際環境NGOグリーンピースは、同会議に代表団を派遣しオブザーバーとして参加します。今回のCOP29において、各国の指導者たちは、途上国で切実に必要とされている気候変動対策を支援するための新たな資金目標に合意することで、今年も繰り返された記録的な気温と排出量の増加に対応していく必要があります。
資金目標である新規合同数値目標(NCQG)は、適応、緩和、損失、損害のために途上国への公的資金を大幅に拡大することを約束し、化石燃料産業やその他の主要汚染者に支払いを義務付けなければならない
各国が2030年および2035年の気候行動計画をどのように1.5度目標に整合させるかを含め、化石燃料からの脱却に向けたCOP28合意を実現しなければならない
炭素濃度が高い生態系を保護・回復するため、オフセットや炭素市場における不適切な結果を回避しなければならない
グリーンピースCOP29代表団、ジャスパー・インヴェンター代表
「排出量の急増、気温の上昇、影響の悪化に至るまで、気候変動に関する記録が次々と塗り替えられ、我々は岐路に立っています。長い間、迅速で大胆な行動を求めてきたにも関わらず、多くの世界の指導者たちの対応は消極的なものでした。これを変えなければなりません。気候変動対策は、気候資金と汚染者に責任を問うことに依存しています。化石燃料企業や大規模な汚染者は、自分たちが引き起こした損失や損害に対して代償を払わなければなりません。指導者たちは、この正義を執行する力を持っており、今すぐ行動しなければならないのです。その方法は、化石燃料からの脱却というCOP28の決定であり、石炭、石油、ガスを段階的に廃止する野心的な2035年の気候変動行動計画をもたらす道筋に沿ったものでなければなりません。気候変動問題は命綱に繋がれている状態であり、政治指導者たちは必要とされる緊急の行動を起こすべきです」
グリーンピース・ジャパン シニア政策渉外担当、小池宏隆
「NCQGで達成すべき成果は、激化する気候災害やその影響に対応し、自然エネルギーへの移行を進め、より持続可能な社会の実現を進める途上国を支援するため、これまで以上に大きな公的資金を拠出する、という先進国からのコミットメントです。途上国、特に後進国は、激化する気候災害への対応はもちろんのこと、コロナ禍によって悪化した経済を立て直すための巨額の資金を拠出し、財政状況はひどく悪化しています。債務の支払いで精一杯の国々が、緩和と適応を進めるためには、より一層の公的資金が必要です。ただ、これをいまある税金だけで賄うことは、悪化する気候危機や燃料危機に苦しむ国民に説明がつきません。化石燃料産業とそれに関わる産業に対して支給されている補助金を廃止し、気候変動から得ている利益に対し課税をすることで、汚染者負担の原則を実施する必要があります。NCQGでは、この不公正を是正することが求められています。化石燃料を生産しない日本だからこそ、しがらみにとらわれず、化石燃料からの脱却と汚染者負担原則の実施にリーダーシップを発揮してほしいと思います」