東京, 11月26日, /AJMEDIA/
ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。
ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる26日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。
(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)
ロシアと中国の政府系企業 海底トンネルの建設計画を協議か
アメリカの有力紙ワシントン・ポストは24日、ウクライナ保安庁が傍受した内容として、ロシアと中国の政府系企業が、ウクライナ南部のクリミア半島とロシアとの間の物流を確保するため、海底トンネルを建設する計画を秘密裏に協議していると伝えました。
クリミア半島とロシアとの間には、ロシアが2018年に建設した橋があり、ロシア軍のウクライナ侵攻において重要な補給路となっています。
しかし、橋は、去年10月とことし7月にはウクライナ側の攻撃で損壊しており、ワシントン・ポストは、ロシア側が安全性への懸念を強めたことがトンネル建設についての協議のきっかけになったとしています。
一方、専門家の話としてトンネルの建設は技術的には可能なものの、巨額の費用がかかるほか、中国側が欧米から制裁を受ける可能性など政治的なリスクもあるとしています。
これに対し、ロシアの国営通信社は、ロシア大統領府のペスコフ報道官が報道内容を否定したと伝えています。
キーウで最大の無人機攻撃 ゼレンスキー大統領“意図的テロ”
ウクライナ空軍は25日、ロシア軍が75機のイラン製の自爆型無人機で首都キーウなど、少なくとも6つの地域に攻撃を仕掛けたと発表しました。このうち、74機を撃墜したということで、これまでで最大の無人機攻撃だとしています。
ウクライナ側は、無人機はロシア西部のクルスクなど2つの方面から発射され、キーウを狙ったものだとしていて、クリチコ市長によりますと、無人機の破片が落下するなどして、子ども1人を含む5人がけがをしたということです。
キーウ市西部の幼稚園では無人機の破片が建物に直撃して天井や壁が崩れ、がれきが敷地内に散乱していました。
幼稚園に孫を通わせているという男性は「恐怖でしかなかった。何が起きたわからず、暗い時間でどこに逃げていいかわからなかった。ロシアを強く非難したい」と話していました。
ウクライナで25日は、1932年から翌年にかけて当時のソビエトのスターリン政権が人為的に発生させた、「ホロドモール」と呼ばれる大飢きんの犠牲者を追悼する日にあたります。
ロシアへの対抗意識が高まる記念日でもあり、ゼレンスキー大統領は「意図的なテロだ」と非難した上で、防空能力を強化していくと強調しました。
無人機が落下の現場は
ウクライナの首都キーウでは25日、ウクライナ側に撃墜されたロシア軍の無人機の破片が市街地に落下し、けが人が出たほか、建物にも大きな被害が出ました。
このうち、西部にある幼稚園では落下した破片が2階建ての建物に直撃して、天井や壁が崩れ幼稚園の敷地内に散乱し、子どもたちが利用する部屋がむき出しになっていました。現場ではがれきの撤去作業が始まっていました。
また、幼稚園の近くの集合住宅では破片が落下した際の衝撃で窓ガラスが割れるなどの被害も出ていて、住んでいる人たちが協力してガラスの破片を集め、新しい窓ガラスを取り付けたり、窓を木の板でふさいだりしていました。
無人機が落下した幼稚園に孫を通わせているという67歳の男性は「恐怖でしかありませんでした。何が起きたわからず、暗い時間でどこに逃げていいかわかりませんでした。こんなことをするロシアを強く非難したいです」と話していました。
また、割れた窓ガラスを片づけていた30歳の女性は「怖かったです。3人の子どもがいて、窓のそばで寝ていましたが、幸いにしてけがはありませんでした。冬なので寒いですから、すぐに窓ガラスを取り替えました」と話していました。