【随時更新】ネタニヤフ首相「人質解放なしに停戦ありえない」

東京, 11月06日, /AJMEDIA/

ハマスの最高幹部ハニーヤ氏が後ろ盾となっているイランを訪れて、最高指導者のハメネイ師と会談し、ガザ地区の情勢をめぐって意見を交わしました。一連の衝突が始まって以降、イランとハマスのトップによる対面での会談が発表されたのは初めてで、両者の結束を改めて示す狙いがあるとみられます。一方、中東などを歴訪しているアメリカのブリンケン国務長官は5日、事前の予告なしにイラクを訪問しました。

※11月6日(日本時間)のイスラエルやパレスチナに関する動きを随時更新でお伝えします。

ネタニヤフ首相「人質の解放なしに停戦はありえない」
パレスチナのガザ地区でイスラエル軍による激しい空爆などが続く中、イスラエルのネタニヤフ首相は「人質の解放なしに停戦はありえない」と述べ、現時点で、攻撃の手を緩める考えはないと強調しました。

一方、アメリカのブリンケン国務長官は訪問先のイラクで、人道目的での戦闘の一時停止が必要だという考えを改めて強調しました。

イスラエル軍はパレスチナのガザ地区で夜の空が明るくなるほど激しい空爆などを続けていて現地で医療活動を続けるパレスチナ赤新月社は5日、ガザ市のテルアルハワ地域にある病院の近くに攻撃があり多数の犠牲者が出ているとSNSに投稿しました。

攻撃が激しさを増す中で、イスラエルのネタニヤフ首相は5日、南部の空軍の基地を訪問し、兵士らを前に「人質の解放なしに停戦はありえない。われわれは勝つまで戦い続ける。ほかの選択肢はない」と述べ、攻撃の手を緩める考えはないと強調しました。

一連の衝突で
▽ガザ地区での死者は9770人にのぼり
▽イスラエル側でも少なくとも1400人が死亡しています。こうした中、中東などを歴訪しているアメリカのブリンケン国務長官は5日、事前の予告なしにイラクを訪問しました。

ブリンケン長官はガザ地区での人道支援について「1日におよそ100台のトラックが入るようになったが圧倒的に不足している。われわれは大幅に増やすために取り組んでいるが、戦闘の一時停止がそれを後押しすることになる」と述べて人道目的での戦闘の一時停止が必要だという考えを改めて強調しました。

また、イラクではアメリカ軍が駐留する基地にイランが支援する勢力による無人機などを使った攻撃が相次いでいることについて「われわれはイランとの衝突を望んでいるわけではないが国民を守るために必要なあらゆる手段を講じる」と述べ武装勢力とイランをけん制しました。

一方、ロイター通信は、レバノン南部ではイスラエル軍の空爆により子ども3人とその祖母が死亡したと伝え、レバノンを拠点とするイスラム教シーア派組織、ヒズボラは、報復としてイスラエル北部に攻撃を行ったとする声明を発表し、衝突の拡大も懸念されます。

松野官房長官 G7外相会合で改めて率直な意見交換を行う予定
松野官房長官は午前の記者会見で「東京で開催するG7=主要7か国の外相会合では、上川外務大臣の中東訪問も踏まえ、改めて率直な意見交換を行う予定だ。刻一刻と動く現地情勢を踏まえつつ、関係国や関係者などと意思疎通を行い、在留邦人の安全確保に万全を期しながら人道状況の改善や人道目的の戦闘休止、そして事態の早期沈静化に向けた外交努力を続けていく」と述べました。

また、イスラエルの閣僚のひとりがガザ地区に核爆弾を投下することも選択肢の1つだと述べたことについて「ネタニヤフ首相はこの発言について、現実からかけ離れている旨を述べ、この大臣を当面、閣議に出席させないこととしたと承知している」と述べました。

最高指導者のハメネイ師の事務所は5日、声明を出し、ハニーヤ氏がイランを訪れたことを明らかにしました。その上で「ハニーヤ氏はガザ地区の情勢などを説明し、これに対してハメネイ師はガザ地区の人々の辛抱強さをたたえるとともに、アメリカなどの直接的な支援を受けたイスラエルの犯罪を強く非難した」としています。前日の4日にはイランメディアが、会談が数日前に行われたと伝えていましたが、声明では会談が行われた時期については明らかにされませんでした。

米国務長官 事前予告なしにイラクを訪問 イランをけん制
パレスチナのガザ地区をめぐる情勢が緊迫化する中、イラクではアメリカ軍が駐留する基地に無人機などによる攻撃が相次いで行われ、アメリカはイランが支援する勢力によるものだと非難しています。

ブリンケン長官はイラクのスダニ首相と会談したあと、記者団に対し「スダニ首相には、イランと連携する武装勢力からの攻撃や脅迫は、決して容認できないと伝えた。われわれはイランとの衝突を望んでいるわけではないが国民を守るために必要なあらゆる手段を講じる」と述べて武装勢力とイランをけん制しました。

そして「われわれはガザ地区での紛争がエスカレートせず、さらにほかの地域にも拡大しないよう懸命に取り組む」と強調しました。

ガザ地区への人道支援の状況については「1日におよそ100台のトラックが入るようになったが圧倒的に不足している。われわれは大幅に増やすために取り組んでいるが、戦闘の一時停止がそれを後押しすることになる」と述べて人道目的での戦闘の一時停止が必要だという考えを改めて示しました。

ガザ地区全域で大規模な通信遮断
パレスチナの通信会社は5日、ガザ地区全域で電話やインターネットが停止しているとSNSで明らかにしました。

以前復旧した回線が再びイスラエルによって遮断されたためだとしています。

これに関連して、ガザ地区で医療活動を行うパレスチナ赤新月社は「通信の遮断によりガザ地区にいるチームと連絡が取れなくなった」と窮状を訴えています。

その上で大規模な通信の遮断は一連の衝突が始まってから3回目だとしています。

イスラエル軍 病院周辺への空爆 正当性を主張 ハマスは反論
イスラエル軍はパレスチナのガザ地区北部で病院周辺への空爆などを続けていて多くの犠牲者が出る中で、イスラム組織ハマスが病院を攻撃の拠点にしているためだとして、正当性を主張しています。

一方、今月1日から始まったけが人と外国籍の人々のガザ地区からエジプトへの退避は、安全が確保出来ないためとみられる理由で停止しています。パレスチナのガザ地区への攻勢を強めるイスラエル軍は北部で病院周辺への空爆などを続けています。

パレスチナ赤新月社は5日、ガザ市のテルアルハワ地域で病院からおよそ50メートル離れた建物が標的になり、多数の犠牲者が出て、ICU=集中治療室にいる患者もけがをしたとしています。また、前日の3日には、ガザ地区最大級のシファ病院の近くで救急車の車列がミサイル攻撃を受けて15人が死亡しています。

これについてイスラエル軍の報道官は5日、これまでに空爆した病院ではイスラム組織ハマスが地下施設を置いているとして攻撃の正当性を主張しました。これに対して、ハマスは「イスラエルの主張はねつ造だ」として反論しています。

一連の衝突でガザ地区での死者は9770人にのぼり、イスラエル側でも少なくとも1400人が死亡しています。

このほか、ロイター通信は、レバノン南部でイスラエル軍の空爆により、子ども3人とその祖母が死亡したと伝えていて、レバノンを拠点とするイスラム教シーア派組織ヒズボラの報復により、衝突の拡大も懸念されます。

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