「継戦能力」強化を重視 長期戦へ弾薬確保、施設整備―防衛省・概算要求

東京, 9月1日, /AJMEDIA/

防衛省は2024年度予算概算要求で、他国の侵略に一定期間対抗するための「継戦能力」強化を重視した。台湾海峡を巡る情勢が緊張感を増す中、ロシアのウクライナ侵攻で浮き彫りになった長期戦への備えは喫緊の課題だ。弾薬・ミサイルの確保や施設の整備など、自衛隊の「持続性・強靱(きょうじん)性」向上に4兆861億円を充てた。
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 政府が昨年策定した安全保障関連3文書は、継戦能力について「弾薬、燃料、装備品の可動数は必ずしも十分ではない」と指摘。23年度からの5年間で19兆円を投じ、改善を図る方針を打ち出した。
 これを踏まえ、弾薬確保に9303億円を要求。小銃の弾薬やりゅう弾などの砲弾、ミサイルの取得を進める。防衛省は昨年、ミサイル防衛用に保有する迎撃弾が必要数の6割にとどまると公表。今回、海上配備型迎撃ミサイル(SM3)や地対空誘導弾パトリオット(PAC3)など迎撃ミサイル整備に計2224億円を計上した。
 重要施設の強化では、航空自衛隊三沢基地(青森県)や陸上自衛隊那覇駐屯地(沖縄県)など11地区で司令部の地下化に着手する。弾薬取得と並行した火薬庫整備には、9地区の新設を含め221億円を充てた。
 全国283の駐屯地や基地で、隊舎や司令部庁舎の建て替えなどに取り組む。今年度から整備の全体像を示す「マスタープラン」作成を始めており、24年度はこれに基づき3916億円を積んだ。
 防衛装備品を最大限活用できる体制づくりも急務だ。航空機や艦艇を修理する際、別の航空機や艦艇から部品を流用する「共食い整備」も問題化しており、十分な部品を確保する経費として2兆3515億円を計上した。

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