「思い実った」「苦しみ続く」 共同親権、当事者に賛否

東京, 5月18日 /AJMEDIA/

 民法などの改正法成立により、父母双方が離婚後も子どもの親権を持つ「共同親権」導入への道が開かれた。新制度は2026年までに始まる見通しだが、離婚により子どもと離れて暮らす当事者らからは、導入を巡り賛否の声が聞かれた。

 「感無量だ」。神奈川県の会社員男性(47)は18年に離婚し、元妻と暮らす子どもと会えない日々が続く。子どもは会えない間に18歳を迎え、成人した。男性は改正法成立を「長年の思いが実り安心した」と歓迎する一方、「家裁がDV(家庭内暴力)被害の訴えなどについて正しく判断できるのか疑問だ。新制度が始まっても、共同親権が適用されないケースも出てくるのでは」と懸念を示す。

 別居状態が続き子どもに約7年会えていない千葉県の会社員女性(41)は17日午後、参院本会議の傍聴席で成立の瞬間を見届けた。「やっとだ」とほっとした表情を浮かべ、「今後は子どもの利益最優先で考えられるようになってほしい」と期待を示した。

 導入への反対意見も根強い。ネット署名サイト「Change.org(チェンジ・ドット・オーグ)」では、反対の電子署名が17日までに24万人を超えた。サイトには「精神的、身体的暴力を受けている母親や、子どもたちが逃げられなくなる」「DV被害者やその子どもが離婚後も苦しめられ続ける」などの声も寄せられている。

 反対する3団体は参院法務委員会で改正案が可決された16日、連名で声明を公表。法案審議過程で家裁の人的体制の不十分さなどが明らかになったとして、「議論が煮詰まったとは到底言えない状況下で、共同親権ありきで採決が急がれた」と批判した。

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