東京, 7月03日, /AJMEDIA/
【バンコク時事】タイの首都バンコクの「名物」とも言われる交通渋滞。これを改善するため、日本の国際協力機構(JICA)が5月から、バンコク都、タイ警察と連携し、手動による信号機操作を排除する管制システムの実証実験を始めた。チャチャート都知事は6月26日の式典で「歴史的な日だ」と、成功に強い期待を示した。
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バンコクの渋滞の一因とされるのが手動の信号機操作。各交差点にある交番のような小屋の中で交通警察官がカメラ映像や目視により判断し、操作盤で信号を切り替える。信号機は交差点ごとに個別に運用され、連携していない。
実証実験では、バンコク中心部の4本の道路に囲まれた1周8キロのエリア内に、日本でも使われている「面的交通管制(ATC)システム」を導入。道路上に設置した車両感知器で交通量や渋滞の長さを計測し、そのデータを基に13カ所の交差点と四つの横断歩道に設置された信号機を自動制御する。成果が得られれば、バンコク全体に導入したい考えだ。
深刻な渋滞は経済的な損失に加え、緊急車両の到着遅延や大気汚染などの社会問題を招いている。JICAタイ事務所の鈴木和哉所長は式典で「渋滞の改善は、生活の質の向上や大気汚染の低減にもつながる。バンコクがより健康的で快適な都市になるよう協力していきたい」と語った。