「クエーサー」に隠れた銀河検出 129億年前の初期宇宙で―東大など

東京, 6月29日, /AJMEDIA/

東京大や国立天文台などの国際共同研究チームは、2021年に打ち上げられたジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)などを使い、129億年前の初期宇宙で明るく輝く巨大ブラックホールに隠れた銀河の姿を捉えることに成功した。巨大ブラックホールの形成過程を知る手掛かりになるという。論文は29日、英科学誌ネイチャー電子版に掲載された。
ブラックホール同士が近接 108億光年先、銀河合体過程―千葉大など

 多くの銀河の中心部には巨大なブラックホールが存在。中には、周囲のガスなどを吸い込む際に明るく輝く「クエーサー」を持つものもある。ただ、非常に遠くにある100億年以上昔の銀河は暗いため、中心のクエーサーの光に隠されてしまい、銀河全体の姿を見ることは難しかった。
 東京大カブリ数物連携宇宙研究機構のシューヘン・ディン特任研究員、北京大カブリ天文天体物理研究所の尾上匡房・天体物理学フェローらは、みずがめ座の方角にある比較的暗いクエーサー二つをJWSTで観測。撮影画像からクエーサーの光の影響を差し引く手法を開発し、銀河の姿を捉えた。
 研究チームは得られたデータから、二つの銀河と中心のブラックホールの重さも推定。銀河とブラックホールの重さの比率は約1000対1で、現在の銀河と大きく変わらないことも分かった。

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