「オシリカジリムシ」と命名 新種の甲殻類 鹿児島の干潟で発見

東京, 1月25日, /AJMEDIA/

鹿児島大学は、鹿児島県出水市の干潟で採集したハゼの仲間の尻びれに、体長1ミリ余りの新種の甲殻類が付着しているのを発見し、おしりにかじりつくような様子から「NHKみんなのうた」の人気キャラクターにちなんで、和名を「オシリカジリムシ」と命名しました。

鹿児島大学の上野大輔准教授によりますと、去年5月、鹿児島県出水市の干潟で採集した「チワラスボ」と呼ばれるハゼの仲間の尻びれに、小型の甲殻類がくっついているのを、大学院生が見つけました。

体長1.3ミリほどで茶色の体に甲羅を持ち「カイアシ類」のグループと考えられていますが、あごの形などが特徴的で、上野准教授は新しい科の新種と結論づけ、24日、イギリスの学術誌に掲載されました。

学名は発見場所の不知火海で見つかったことから「コレフトリア・シラヌイ」と名付け、和名については、あごを使って尻びれにかじりつくような姿から「NHKみんなのうた」の人気キャラクターにちなみ「オシリカジリムシ科」の「オシリカジリムシ」と命名したということです。

この「オシリカジリムシ」はこれまでに1個体しか発見されておらず、詳しい生態は分かっていないものの、生物の分類で「科」が新たに設立されるのは珍しいということです。

上野准教授は「親しんでもらえるような名前にしたいと思ったのがきっかけです。魚にしがみつき、表面の何かを食べていたのではないか」と話していました。
「オシリカジリムシ」発見した大学院生は
「オシリカジリムシ」が付着していたハゼの仲間の「チワラスボ」は、魚の分類を研究している鹿児島大学大学院農林水産学研究科の修士1年、是枝伶旺さんが出水市の干潟で採集しました。

是枝さんが「チワラスボ」の標本を作成していたところ、尻びれにいた「オシリカジリムシ」に気付き、寄生虫などを専門とする上野准教授に報告したということです。

是枝さんは「ごみみたいなものがひれの上にのっていると思ったら、足が生えていて動きだしたので、寄生虫のようなものかと思いました。たまたま見つけたのですが、新種として記載され、チャーミングな名前もついてよかったです。魚だけでなく寄生している生き物にもできるかぎり注目していきたい」と話していました。
「おしりかじり虫」の作者 うるまでるびさんは
「おしりかじり虫」の作者のうるまでるびさんは、今回の研究成果について、NHKの取材に対し「僕らが作った架空のキャラクターが本物になったと思い、びっくりしました。学術的な名前として世の中に残るのはうれしいです。どんどん次から次へいろんな“かじり虫”を命名できるよう、研究を頑張ってほしいです」と話していました。

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