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強硬路線「ハッカニ派」に影響力 タリバン内で穏健派と対立―アフガン

東京, 9月20日, /AJMEDIA/

アフガニスタンのイスラム主義組織タリバンの暫定政権で、タリバンの一派「ハッカニ・ネットワーク」(ハッカニ派)が存在感を高めている。かつてアフガン駐留米軍に執拗(しつよう)な攻撃を仕掛け、対米和平交渉を主導した穏健派と一線を画した最強硬派。話し合いに主軸を置く穏健派の力をそぐ形で、じわりと組織内で権勢を拡大させつつある。

 指導者シラジュディン・ハッカニ氏は米軍や民間人へのテロを繰り返し、米メディアから「残忍な司令官」と恐れられた存在だ。米連邦捜査局(FBI)から手配され、国務省も拘束に1000万ドル(約11億円)の賞金を懸けている。

 反政府勢力だったタリバンで、ハッカニ氏は副指導者の一人を務め、米紙ワシントン・ポストによれば、国際テロ組織アルカイダとの「主要な調整役」を担った。今月発足したタリバン暫定政権では、枢要ポストの内相代行に抜てきされた。

 潜伏生活を続けるハッカニ氏だが、タリバンの報道担当者は16日、同氏が国連機関高官と会談し、アフガンの人道支援について協議したとツイッターで表明。閣僚として「表舞台」に登場することで、政権内での影響力を誇示する狙いがあった可能性がある。

 また、英BBC放送は、タリバン幹部の情報として、副首相で穏健派と目されるバラダル師の支持者と、ハッカニ派のメンバーが口論になったと報道。内紛はネットで大きく取り上げられ、バラダル師の負傷、死亡説まで流れた。同師は後にビデオ映像を公開し、「神のおかげでわれわれは良好な関係を保っている」と否定したが、対立するハッカニ派に手を焼く様子をうかがわせた。

 安全保障関連のコンサルティング企業の幹部クラーク氏はポスト紙に対し、ハッカニ派は「タリバンが『穏健』と見なされることを許さず、そのために政権に加わっている」と指摘。目下、世界的なジハード(聖戦)の展開よりも、国内での影響力拡大を目指しているという見方を示した。

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