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電力、問われる「横並び」 絶えぬ不祥事、信頼失墜―業務改善命令

東京, 7月15日, /AJMEDIA/

関西電力や中国電力など5社が14日、企業向け電力販売のカルテルで業務改善命令を受けた。業界では4月にも、顧客情報の不正閲覧問題で関電や九州電力などに改善命令が出されたばかり。絶えぬ不祥事に顧客からの信頼は失墜、電力自由化の精神をないがしろにする「横並び体質」を是正できるかが厳しく問われている。
関電など5社に業務改善命令 カルテル問題で―関係者の厳正処分求める・経産省

 経済産業省によると、5社は長期にわたり営業活動に関する情報を頻繁に交換。命令に先立ち、電力・ガス取引監視等委員会は「実質的な地域独占制の下で、発電・送配電・小売りを一貫して運営していた時代の意識に十分な変容が生じていない」と断罪した。経産省は同日、電力会社でつくる電気事業連合会(電事連)に対しても透明性向上などの指導を行った。
 電力業界ではかねて「なれ合い」が指摘されてきた。電力の安定供給に向けた連携が求められ、事業運営に対する規制も共通する中、他社との情報交換には「安心感を得られる」(電力関係者)との声も聞かれる。
 カルテルを巡り、公正取引委員会は3月、独禁法違反で関係各社に課徴金納付命令を出した。その際、電事連で構築した関係を利用して違反に関わった疑いがあると指摘した。
 これに対し、電事連の池辺和弘会長(九州電力社長)は今月14日の定例会見で、電気料金メニューが多様化したことなどから「横並び体質ではない」と弁明。再発防止に向けては「専門チームの調査結果を踏まえて実施していきたい」と述べるにとどめた。
 金品受領と不正閲覧に続き、今回3度目の改善命令を受けた関電の関係者は、違反を自主申告したことについて「コンプライアンス(法令順守)を徹底した結果だ」と話す。しかし、不信は膨張しており、関電をはじめ九電、中国電、中部電力の株主は代表訴訟を起こす方向で準備を進めている。

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