東京, 4月13日, /AJMEDIA/
沖縄県の宮古島周辺で陸上自衛隊のUH60JAヘリコプターが行方不明になった事故は、乗っていた坂本雄一第8師団長ら10人の安否が分からないまま13日で発生から1週間となった。自衛隊は延べ1700人以上を投入し、捜索に全力を挙げるが、複雑な海底地形が障害となっている。
ヘリは6日午後3時56分、宮古島と橋でつながる伊良部島から北に数キロの洋上で消息を絶った。
陸自関係者によると、ヘリを撮影した映像やレーダーの解析から、消失直前には法定の最低安全高度に近い高度150メートル付近を飛んでいたとみられることが判明した。ただ、異常な飛行は確認されていないという。
これまでに燃料タンクなどの破片や搭乗員のヘルメットが回収されたが、乗員の安否につながる手掛かりや機体の主要部分は見つかっていない。
捜索の焦点は、機体が沈んでいるとみられる海中に移りつつある。海上自衛隊は音波で海底の地形を探るソナーを積んだ潜水艦救難艦と掃海艇を投入。消失地点を中心に、範囲を広げながら周辺をくまなく調べている。
現場海域は水深20~60メートル程度と比較的浅いが、機体と大きさの似たサンゴや岩の隆起が多数あり、発見を困難にしている。海自トップの酒井良海上幕僚長は11日の定例記者会見で「音波で探知しても機体かサンゴ礁か判別できない。一つ一つUUV(自律型無人潜水機)で確認しているので、なかなか進まない」と厳しい状況を説明した。
潮流が複雑なことから、陸自担当者は「機体が予想外の場所に流された可能性もある」と話す。少し離れると水深200メートル超まで崖のように一気に深くなる。深い場所で見つかった場合に備え、作業可能な海自の「飽和潜水士」が待機している。
直前の管制との交信内容などから急なトラブルが疑われるが、原因究明ではフライトレコーダーの回収が鍵を握る。シートベルトをした乗員が機内に閉じ込められている可能性もあり、防衛省幹部は「まず機体を見つけないと。少しでも早く」と焦りをにじませている。