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秋の叙勲 各界で功労の3999人受章

東京, 11月3日, /AJMEDIA/

ことしの「秋の叙勲」の受章者が発表され、各界で功労のあった合わせて3999人が受章しました。

ことしの「秋の叙勲」を受章したのは
▽「旭日大綬章」が6人、
▽「瑞宝大綬章」が3人です。

また、
▽「旭日重光章」と「瑞宝重光章」が合わせてて44人、
▽「旭日中綬章」と「瑞宝中綬章」が合わせて319人、
▽「旭日小綬章」と「瑞宝小綬章」が合わせて841人など、
全体で3999人となっています。

このうち、
▽民間からの受章者は1910人と全体の47.8%を占めたほか、
▽女性の受章者は436人と全体の10.9%でした。

▽「旭日大綬章」は、
◇元参議院副議長の小川敏夫さん、
◇元参議院副議長の郡司彰さん、
◇元最高裁判所判事の小池裕さん、
◇元NTT会長の三浦惺さん、
◇元参議院議院運営委員長の水落敏栄さん、
◇元最高裁判所判事の宮崎裕子さんが
受章しました。

▽「瑞宝大綬章」は、
◇元大阪大学学長の平野俊夫さん、
◇元アメリカ大使の藤崎一郎さん、
◇元宮内庁長官の山本信一郎さんが
受章しました。

▽「旭日重光章」は、
◇元熊本県知事の潮谷義子さん、
◇元官房副長官の芝博一さんらが
受章しました。

▽「旭日中綬章」は、
◇ファッションデザイナーのコシノジュンコさん、
◇「ポーの一族」などの代表作で知られる漫画家の萩尾望都さんらが
受章しました。

▽「旭日小綬章」は、
◇「マルサの女」などの映画をはじめ、NHKの連続テレビ小説「あまちゃん」にも出演した俳優の宮本信子さんらが受章しました。

このほか外国人叙勲では、
▽ユニセフ=国連児童基金のフォア元事務局長が「旭日大綬章」を受章するなど、合わせて54の国と地域の119人が受章しました。

叙勲の親授式や伝達式などは今月9日から行われます。

コシノジュンコさん「目標を達成したあとに次の目標を」
旭日中綬章を受章するコシノジュンコさんは大阪府岸和田市の出身です。

東京の文化服装学院在学中だった19歳の時に新人デザイナーの登竜門とも言われる装苑賞を受賞して、デザイナーとしてデビューしました。

その後、東京を拠点に活動しながら1978年からはパリ・コレクションに参加し、世界各地でファッションショーを開くなどして日本の文化を積極的に海外に発信し、国内外で高い評価を得ました。

こうした功績で2017年に文化功労者に選ばれたほか、去年、フランスで最も権威ある国家勲章の「レジオン・ドヌール勲章」を受章しました。

このほかにも東京オリンピック・パラリンピックの組織委員会で文化・教育委員を務めるなど幅広い活動を行っています。

今回の受章について、コシノさんは「日本の勲章は大変なものです。ますます日本を大切にし、誇りを持って世界に伝えるお手伝いと言うか、還元をしていきたいです。ファッションの審査員を長くやってきましたが、若い人は1位になって満足してしまう人が多いです。目標を達成したあとに次の目標を自分なりに作ることが大事で、それが世界に飛躍することにつながります。人を好きになって、人に楽しんでもらって、人に喜んでもらうこと、それがどんな仕事でも大事だと思います」と話していました。
萩尾望都さん「後輩達への希望と励みになるよう願っている」
旭日中綬章を受章する漫画家の萩尾望都さんは、福岡県出身の73歳。

1969年、「ルルとミミ」で漫画家としてデビューし、1972年に発表した「ポーの一族」では、少年の姿のまま永遠に生きる吸血鬼の運命を鮮烈に描いて人気を集めました。

また、ドイツの学校を舞台に少年たちの悲しみや純粋な愛情を描いた「トーマの心臓」や、宇宙船で繰り広げられる密室劇を描いたSF作品、「11人いる!」などを発表し、ファンタジーやSFなどのジャンルにとらわれない文学性が高く評価されています。

2016年に、40年ぶりに発表した「ポーの一族」の新作は掲載した雑誌が売り切れるなど大きな話題となり、現在も連載が続いています。

こうした功績で2012年に紫綬褒章を受章し、2019年には文化功労者に選ばれています。

また、ことしアメリカのコミック業界がすぐれた業績を残した人に贈るアイズナー賞で殿堂入りするなど海外でも高く評価されています。

受章について萩尾さんは、「驚くと共に身の引き締まる思いです。50年以上漫画の道を歩んで参りました。日本は漫画の文化が多岐にわたり充実した国です。女性及び少女漫画は文化の歴史で捉えても面白く、まだまだ研究の余地があると思います。多くの先人達や同胞のおかげでこの度の叙勲があり、またこの受章が後輩達への希望と励みになりますよう願っています」などとコメントしています。
宮本信子さん「もっと頑張りたいと静かに燃えている」
旭日小綬章を受章する俳優の宮本信子さんは北海道出身の77歳。

映画「お葬式」や「マルサの女」、それに「ミンボーの女」など夫で映画監督だった故・伊丹十三さんの作品に多く出演したほか数々の映画やテレビドラマ、舞台に出演し、日本を代表する演技派俳優として活躍してきました。

近年では、歌手としてジャズライブを開くなど、77歳になったいまも精力的な活動を続けています。

NHKでも大河ドラマ「毛利元就」をはじめ連続テレビ小説、「あまちゃん」「ひよっこ」など数多くのドラマに出演しています。

今回の受章について宮本さんは「私ですか?ときょとんとしてしまって、それから徐々に驚きました。長い間、仕事をしてきたことを認めていただいたんだなと思うととてもうれしいです。本当に女優の仕事が好きなのでこれ以外に仕事は考えられません。女優一筋でこられたのは皆様のおかげです」と喜びを語りました。

そして、「出演する作品は直感で決めていますが、映画のワンカットを積み重ねるように仕事にひとつずつ取り組むことで女優としての私の人生はあると思っています。もっともっと丁寧に、もっともっと深く与えられた役を演じていきたい。もっと頑張りたいと静かに燃えています」と話していました。

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