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潰瘍性大腸炎患者にオルガノイド初移植 腸の粘膜の再生に期待

東京, 7月9日, /AJMEDIA/

国が指定する難病「潰瘍性大腸炎」の患者の腸に、患者自身の細胞から作った腸のさまざまな細胞が集まった「オルガノイド」と呼ばれるかたまりを移植する、世界で初めての手術を行ったと東京医科歯科大学のグループが発表しました。

これは東京医科歯科大学の岡本隆一教授らのグループが7日、会見を開いて発表しました。

潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に炎症が起きて激しい腹痛や下痢などを起こす病気で、国内の患者数は国が指定する難病の中では最も多い22万人以上と推計されています。

グループは従来の治療では十分な効果がみられなかった患者1人の大腸から、健康な細胞を取り出して培養し、粘膜を作り出す幹細胞など腸上皮という部分のさまざまな細胞を含んだ「オルガノイド」というかたまりを大量に作り出しました。

そして、この患者の腸の潰瘍が起きている部分に、オルガノイドを移植する手術を行ったということです。

患者の経過は順調だということです。

グループでは移植したオルガノイドによって、腸の粘膜の再生が期待できるとしていて今後、1年かけて安全性や有効性を確認するということです。

グループによりますとオルガノイドを移植する手術は世界で初めてだということで、今後、さらに7人の患者に手術を行う計画だということです。

岡本教授は「10年にわたる研究で非常に長い期間がかかったが、今回、1例目の手術を行い、スタートを切れたことは非常に大きな成果だ」と述べました。

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