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建材メーカーと遺族が和解 全国初、建設アスベスト訴訟―大阪地裁

東京, 8月23日, /AJMEDIA/

 建設現場でのアスベスト(石綿)使用をめぐる訴訟で、死亡した男性作業員の遺族1人と被告の建材メーカー1社が23日、大阪地裁で和解した。原告側代理人によると、メーカーとの和解が成立したのは全国で初めて。
 和解したのは東証スタンダード上場の建材メーカー「日本インシュレーション」(大阪市中央区)で、同社から和解を申し出た。被害者救済法に基づく国の給付金の最大額(1300万円)と同程度となる1287万円を遺族に支払う。和解条項には、原告への謝罪も盛り込んだ。
 奈良市の男性は1981~97年、同社の前身となる企業の専属の下請けとして、石綿を含んだ耐火被覆材を鉄骨に取り付ける作業に従事。肺がんを発症し、99年に74歳で亡くなった。
 最高裁は昨年5月、国と一部メーカーの賠償責任を認定。原告側代理人によると、国とは訴訟での和解が進展した一方、メーカーは和解による早期解決に応じてこなかった。
 大阪市内で記者会見した村松昭夫弁護士は、被害者や遺族の高齢化に触れた上で、「早期救済に向けた重要な一歩と考えたい」と評価した。

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