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宗教施設試射、事件前日未明か 防犯カメラに容疑者の車―安倍元首相襲撃・奈良県警

東京, 7月12日, /AJMEDIA/

 安倍晋三元首相(67)が奈良市で街頭演説中に銃撃され死亡した事件で、無職山上徹也容疑者(41)=殺人容疑で送検=が事件前日の未明、同市内にある宗教団体の関連施設に向けて銃の試し撃ちをした疑いがあることが11日、奈良県警への取材で分かった。施設に隣接する建物から弾痕のようなものが見つかり、県警は現場検証を実施。裏付けを進めている。
 県警によると、山上容疑者は「(事件前日の)7日未明、この宗教団体に試射した」と供述した。弾痕のようなものが見つかったのは、宗教団体施設の南隣にある会社ビルで、入り口のドア付近と外壁に撃たれたような穴が複数確認された。ビルは施設と同じ敷地内にあり、狙いがそれたか、同容疑者が混同した可能性もある。
 施設の周辺住民によると、7日未明に「ぱーん」と大きな音がしたという。防犯カメラには、同容疑者名義の軽自動車に似た車が付近を通過する様子も映っていた。
 7日に岡山市で開かれた安倍氏の演説会場を訪れていたことも供述しており、宗教団体への試射後に、同市の会場に向かったとみられている。
 山上容疑者の車からは、弾痕のような穴が数カ所開いた木製の板が数枚見つかっている。「試し撃ちに使った」と説明しているといい、県警は手製の銃の試射を繰り返しながら、安倍氏銃撃の準備を進めていたとみている。
 事件は8日午前11時半ごろ、奈良市の近鉄大和西大寺駅前で発生。山上容疑者は、銃身とみられる2本の筒をテープで束ねたような長さ約40センチの手製の銃で安倍氏を銃撃した。同容疑者の自宅からは似た構造の銃のようなものが数丁押収された。
 山上容疑者はこれまでの調べで、母親が多額の寄付をしていた宗教団体の幹部を当初狙っていたと話した。「安倍元首相がこの団体とつながりがあると思ってやった」と供述しているという。
 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)は11日に記者会見し、山上容疑者の母親が正会員であることを明らかにした。

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