東京, 7月15日, /AJMEDIA/
熊本地震で被災し、一部区間で不通が続いていた第三セクターの南阿蘇鉄道(熊本県高森町)が15日、約7年3カ月ぶりに全線での運転を再開した。JR豊肥線への乗り入れも開始。主要な交通インフラは全て復旧し、地元関係者は通勤・通学の足の復活とともに、観光客増加に期待を寄せる。
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高森駅では午前6時、駅員から「出発進行。立野行き発車」の号令が掛かると、始発列車が警笛を鳴らし出発した。
始発前から多くの人が切符売り場に並んだ。親子で見送った南阿蘇村の浅尾昭子さん(61)は「熊本市への通院など、日常で当たり前に使っていた。やっとつながってうれしい」と声を弾ませた。娘の比呂加さん(30)は「たくさんのお客さんに景色を楽しんでもらい、観光でも盛り上がってほしい」と笑顔を見せた。
午前11時からは、蒲島郁夫県知事らが出席して記念式典が開かれた。同鉄道の草村大成社長は「復旧に関わった全ての人と喜びを分かち合いたい」と述べ、同知事は「鉄道を軸とした地域活性化に真剣に取り組む」などとあいさつした。