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北極の氷、最大面積が観測史上最小に–JAXA発表

東京, 4月20日, /AJMEDIA/

 JAXAと国立極地研究所は4月18日、北極の冬季海氷域の最大面積が、人工衛星による観測開始以来、最小を記録したと発表した。

 北極の海氷は例年、晩冬にあたる3月頃に年間最大面積に達する。2025年の最大値は3月20日に観測された1379万平方キロメートルで、これは過去47年間の観測史上最小だった。

 また、両機関は40年以上にわたって蓄積したデータセットをもとに、北極域データアーカイブシステム(ADS)を通じて北極海氷域の変化を可視化している。

 2025年3月20日の海氷密接度分布を示したデータでは、現在の海氷域が2010年代の平均と比べて顕著に後退していることが確認されたという。過去最小を記録した2017年の状況と比較しても、今年はさらに減少が進んだことが明らかになった。

 北極海氷の減少は地球規模の気候変動と密接に関連しており、今後の気象や海洋環境への影響が懸念されている。研究チームは継続的な観測と詳細な分析を通じて、将来的な変化の予測精度を向上させ、社会への適切な情報提供を行う必要があると指摘している。

 今回の解析に利用したAMSR2のデータは、雲や昼夜の影響を受けずに毎日全球観測が可能だ。JAXAは2025年度に、後継機AMSR3を搭載した温室効果ガス・水循環観測技術衛星「GOSAT‑GW」の打ち上げを計画しており、極域の観測体制をさらに強化する方針だ。

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