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ロシア闇資金「戦車より脅威」 2300億円、英議員が警鐘

東京, 1月30日, /AJMEDIA/

タジェンダット英下院外交委員長(保守党)は28日、ロンドンにあふれるロシアの闇資金が英国にとって安全保障上の脅威になっていると指摘した。タジェンダット氏はさらに、ウクライナ侵攻に踏み切った場合の対ロ制裁の骨抜きにもつながると警告した。
 ロシアの新興財閥(オリガルヒ)の資金が流れ込むロンドンの金融街「シティー」はロシア語風に「ロンドングラート」と呼ばれ、英当局は野放しにしているとしてたびたび批判されてきた。反汚職のNGO「トランスペアレンシー・インターナショナル」は、汚職で告発されたり、プーチン政権とのつながりを指摘されたりするロシア人が英国で所有する資産は総額約15億ポンド(約2300億円)と見積もっている。
 タジェンダット氏は28日、地域紙シティーAMへの寄稿で「10万人のロシア軍にばかり目が向いてしまうが、脅威は戦車だけではない。銀行や不動産に隠された資金が英国の安全保障をむしばんでいる」と訴えた。27日にも滞在先のボスニア・ヘルツェゴビナからBBC放送に出演し、「ボスニアでもウクライナでもロシアでも大量の汚い資金が問題を引き起こしている。ロンドンの市場を通じてだ」と強調した。
 下院外交委員会は2018年、報告書を公表し、ロシアの領土的野心に歯止めをかける最善の方法は、プーチン政権が英国をはじめ海外で行っているマネーロンダリング(資金洗浄)を阻止することだと訴えている。

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