Site icon AJMEDIA 日本語

フィデアと東北銀、基本戦略折り合えず 半年で破談、拙速さ浮き彫り

東京, 2月11日, /AJMEDIA/

 東北全域をカバーする金融グループを目指したフィデアホールディングス(仙台市)と東北銀行(盛岡市)の統合協議が、昨年7月の基本合意から半年余りで破談となった。東北銀の村上尚登頭取は記者会見で、同行の「地元密着戦略」とフィデアの「広域成長戦略」の相違を理由に挙げたが、経営の基本戦略での食い違いは地方銀行再編の難しさとともに合意の拙速さも浮き彫りにした。
 フィデアは、荘内銀行(山形県鶴岡市)と北都銀行(秋田市)を傘下に置き、東北銀と統合すれば営業網は東北6県全域に広がるはずだった。
 フィデアと東北銀は2018年2月に包括業務提携し、事業承継や有価証券運用などで協力を進めた。「将来的な資本提携や経営統合を目的とするものではない」としてきた業務提携から、統合合意に踏み込んだのは、地銀再編に前向きな当時の菅義偉政権下で、政府や日銀が策定した合併や統合支援策に背中を押された事情もある。
 だが、東北での地銀再編は、1994年の「平成銀行」構想、2000年の「ミライオン銀行」構想と破談の歴史でもある。文化や風土も違うそれぞれの地盤で強い影響力を持つ地銀同士の再編は、統合後の店舗・人員削減といった合理化や人事戦略などあつれきが生じることも多い。「合併・統合ありき」では再編が進まない難しさが改めて突き付けられた格好だ。

Exit mobile version