東京, 03月10日 /AJMEDIA/
ガザ地区では戦闘休止の見通しが立たないなか人道状況が日増しに悪化し、地元の保健当局は、新たに子ども3人が栄養失調や脱水症状で死亡したと発表しました。
空からの支援物資の投下に加え海からの輸送も準備が進められていますが、最も効率的な陸路での物資の搬入を増やすべきだという声もあがっています。
ガザ地区では9日にかけてもイスラエル軍による攻撃が続き、地元メディアは、避難者などおよそ150万人が集中する南部のラファで集合住宅が空爆され多数の住民がけがをしたほか、近くのハンユニスでも、空爆によるけが人が出ていると報じています。
アメリカのバイデン大統領は、8日、イスラエルとイスラム組織ハマスとの交渉について、3月10日ごろに始まるイスラム教の断食月、ラマダンまでに戦闘の休止が実現するのは厳しいという認識を示しました。
人道状況が日増しに悪化する中、地元の保健当局は8日、新たに子ども3人が栄養失調や脱水症状によって死亡し、これまでの死者は23人に上ったと発表しました。
食料不足を改善するため、空からの支援物資の投下も行われていますが、8日には投下された物資が住民にあたって5人が死亡するなど、安全性が疑問視されています。
また、海からの輸送についてもアメリカやEU=ヨーロッパ連合などが準備を進めていますが、本格的な搬入にはガザ地区でのふ頭の建設などの準備が必要とされています。
こうした中、UNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関の報道官は、中東の衛星テレビ局アルジャジーラに対して支援の増加は歓迎する一方、空や海からの輸送が注目されることで、最も効率的に物資を運べる陸路での搬入が軽視されてしまうと懸念を示し、陸路での搬入を増やすべきだと訴えました。