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道切り開いた国枝さん 競技向上にも尽力―車いすテニス

東京, 2月8日, /AJMEDIA/

 国枝さんは引退会見の冒頭あいさつで「最高のテニス人生を送れた」と言い切った。終始穏やかな笑みをたたえ、充実感に満ちていた。
 昨年7月、四大大会で唯一タイトルを持っていなかったウィンブルドン選手権で悲願の初優勝を遂げた。その瞬間に出た言葉が「これで引退だな」。全米オープン以降は「やり切った」という言葉が口癖となり、ラケットを置く決断に至った。
 現役の間は「車いすテニスを社会的に認めさせたい。スポーツとしていかに見せるか」ということに強くこだわってきた。選手としても強くあり続け、競技の知名度は徐々に向上。一番の思い出という東京パラリンピックでプレーする姿は、多くの人々の目に焼き付いた。「東京が終わった後の反響は、僕の中ではスポーツとして、というところの手応えがすごくあった」と実感を込める。
 国枝さんの背中を追うように、国内には16歳の小田凱人ら有望な選手が多く、海外で活躍している。「自分がやってきたことが彼らに影響を与えることができたのかなと思うと、やってきた意味があったな」。道を切り開き、後進にバトンをつないだ。

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