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菅首相、退陣直前に訪米 異例の外遊、与野党疑問視

東京, 9月10日, /AJMEDIA/

菅義偉首相は9月下旬の訪米に向け調整に入った。中国の海洋進出への対処が主要テーマとなる日米とオーストラリア、インドの4カ国(通称クアッド)首脳会談出席が主目的。バイデン米大統領との個別会談も調整する。ただ、退陣を目前にした首相の外遊は異例で、与野党から疑問の声が上がっている。

 首相訪米について、加藤勝信官房長官は9日の記者会見で「具体的な日程は決まっていない」と詳しい説明を避けた。退任間近の首相が出席することに関しても「主催者の米国が判断することだ」と述べるにとどめた。

 日米豪印の首脳は3月のオンライン会談で、年内に対面で再会談することで合意していた。米側が首相退任直前の開催を提案したことに、外務省幹部は「首相が代わっても外交の一貫性が保たれると考えたのだろう」と指摘。政府高官は「呼ばれて行くなら理屈が立つ。総裁選に出ないことで結果的に行きやすくなった」と語った。

 日本はかねて、中国をけん制するに当たり4カ国の連携を重視している。首相は自民党総裁選に出馬しない理由を「新型コロナウイルス対策に専念する」ためと説明しているが、ワクチン供与をめぐる協力も議題になるとみられ、政府関係者は「首相発言と矛盾しない」と強調した。

 ただ、自民党中堅は「辞める人が行っても何も成果は出せない」と疑問視。立憲民主党の福山哲郎幹事長は「発言に将来的に責任を持てない首相がなぜ外遊するのか理解に苦しむ」と記者団に語り、共産党の塩川鉄也衆院議員も国会で「退陣表明した首相が何しに行くのか。コロナ対策に専念する時ではないか」と批判した。

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