東京, 3月20日, /AJMEDIA/
自民党の茂木敏充幹事長は19日、夏の参院選の北海道選挙区(改選数3)てこ入れのため、札幌市に入った。公認候補2人の当選を目標に引き締めを図る。道内で組織力のある立憲民主党も2人擁立の構え。全国政党化を狙う日本維新の会など他の野党も加わり、激戦が展開されそうだ。
茂木氏は19日に北海道連の選対会議に出席。会議の冒頭、「32ある1人区の中で最終的には10ぐらいの激戦区が残ってくる」と指摘。同時に「北海道のように複数区で自民党が2人の候補者を出している選挙区で勝ち切ることが勝利につながる」と強調した。20日は旭川市の党支部セミナーで党員らに積極的な活動を呼び掛ける。
ただ、北海道での自民2人当選は簡単ではなさそうだ。過去2回も2人を擁立。19年はいずれも当選したが、16年は1人が落選した。北海道は伝統的に自治労など労働組合の力が強く、旧民主党系の健闘が目立つ。自民党としてはバランス良く票を振り分けられるかが課題となる。
自民党は今回、現職の長谷川岳氏に加え、昨秋の衆院選で落選した船橋利実前衆院議員を2人目の候補として公認した。長谷川氏は「党本部の対応に怒っている」(党選対幹部)とされ、13日の党大会を欠席した。執行部への不満を示したとみられている。
北海道選挙区は公明党が独自候補を立てないため、同党票をどう上乗せできるかもポイント。自公は先に参院選の相互推薦で基本合意しており、その成果を問われる場の一つとなる。
一方、立民は現職の徳永エリ氏の他に、党道連が元衆院議員の石川知裕氏を立てる方針を決めた。共産党は新人の松橋千春氏出馬を発表済み。維新も続く見通しで、国民民主党にも擁立の動きがある。
参院選は今国会の会期延長がなければ「6月22日公示―7月10日投開票」の日程で行われる方向。2022年度予算案が週明けの22日に成立すれば、与野党は事実上の選挙モードに突入する。茂木氏の地方行脚は昨年12月以来。今後も秋田県や岡山県などを回る予定だ。