東京, 2月1日, /AJMEDIA/
衆院予算委員会は31日、国土交通省の「建設工事受注動態統計」書き換え問題を主なテーマに集中審議を行った。政府・与党は統計書き換えが国内総生産(GDP)に与える影響は「軽微」との立場を強調し、問題の早期幕引きを図った。一方、野党も質問に立った7人のうち同問題を取り上げたのは立憲民主党の1人のみ。新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染急拡大を受けてコロナ対策が審議の大半を占め、統計問題をめぐる議論は深まらなかった。
「建設工事受注動態統計はGDPの計算に直接関わっていない。影響は軽微だ」。31日の予算委で、斉藤鉄夫国交相はこう答弁し、書き換えによるGDPへの影響はほぼないとの見方を重ねて示した。
国交省側は、そもそもGDPの推計に建設工事受注動態統計は直接用いられていないため、影響は軽微と推計できると主張している。
これに対し、立民の城井崇衆院議員は「正しい統計データの裏付けがなく、軽微とはまだ断言できないはずだ」と食い下がり、GDPの再算定を何度も要求した。
しかし、岸田文雄首相は水増しされた数値を過去にさかのぼって修正する方法を検討するため国交省が設置した有識者会議を踏まえ、「会議の答えを待って考えなければならない」と述べるにとどめ、最後まで再算定を確約しなかった。
集中審議で、書き換え問題や2022年度予算案参考資料のミスについて質問したのは、自民、公明、立民各党の3人のみ。4時間の審議のうちこれらの問題に充てられたのはわずか約45分にとどまった。
統計書き換え問題の優先度が低かったことについて、立民国対幹部は「国民の関心が高いコロナを取り上げざるを得ない」と説明。党内からは「これ以上、統計問題で新しい話は出てこないだろう」との声も漏れている。