東京, 10月30日, /AJMEDIA/
老朽化により建て替えられる東京 千代田区の国立劇場で29日閉場式が行われ、関係者などが57年の歴史ある建物との別れを惜しみました。
伝統芸能の拠点として1966年に開場した現在の国立劇場は、老朽化による建て替えのため今月いっぱいで閉場します。
29日は、関係者やファンを招いて閉場式が行われ、式典では劇場を運営する日本芸術文化振興会の長谷川眞理子理事長が式辞に立ち、「新しい劇場では社会と伝統芸能の距離を近づけるべく、最新の技術を活用しながらさまざまな試みに取り組みます」と述べました。
このあと舞台上では、日本舞踊や文楽、講談のおめでたい演目が次々に披露されました。
そして、57年前の開場記念公演にも出演した片岡仁左衛門さんによる歌舞伎の舞踊「お祭り」が華やかに披露されました。
最後に仁左衛門さんが観客や舞台に向かっておじぎをしたあと感慨深い表情で花道を引っ込むと大きな拍手が送られ、初代の国立劇場は長い歴史に幕を閉じました。
亡くなった母親の着物を着て来場したという50代の女性は「母親もよく訪れていた劇場の最後を一緒に見ようとこの着物を着てきました。初代の劇場はすてきな建物で無くなるのは残念ですが、またよい劇場ができてほしい」と話していました。
新しい国立劇場は2029年以降に再び開場する予定です。