東京, 04月17日 /AJMEDIA/
パリオリンピックのアジア最終予選に臨んでいるサッカー男子、23歳以下の日本代表は、16日、1次リーグの初戦で中国と対戦し、20歳の松木玖生選手のゴールで1対0で競り勝って白星スタートを切りました。
16チームが参加してカタールのドーハで始まったアジア最終予選で、8大会連続のオリンピック出場がかかる日本は16日、1次リーグ「グループB」の初戦で4大会ぶりのオリンピック出場を目指す中国と対戦しました。
日本は、年齢制限のない代表に選ばれた細谷真大選手や、J1、FC東京のキャプテンで20歳の松木選手などが先発メンバーに名を連ねました。
日本は前半8分、山田楓喜選手の右からのクロスボールに、松木選手が左足で合わせてさい先よく先制しました。
しかし、17分、ディフェンダーの西尾隆矢選手が相手へのひじ打ちでレッドカードを出されて退場処分となると、人数で上回る中国に攻め込まれる場面が多くなりました。
それでもゴールキーパーの小久保玲央ブライアン選手の好セーブなどでゴールを許さず、1対0で試合を折り返しました。
後半も日本は1人少ない状況の中、攻め込まれる場面が目立ちましたが、持ち味の組織力と集中力の高い守備で守り抜き、1対0で中国に競り勝って、勝ち点3を獲得しました。
また、日本と同じ「グループB」のもう1試合は、韓国がUAE=アラブ首長国連邦に1対0で勝って勝ち点3としました。
1次リーグでは4つのグループの上位2チーム、あわせて8チームが決勝トーナメントに進み、3位以内に入ればパリオリンピックの出場権を獲得します。4位はアフリカ、ギニアとのプレーオフに回ります。
1次リーグの日本の第2戦は日本時間の20日午前0時半からUAEと対戦します。NHKは、この試合を総合テレビで中継でお伝えし、NHKプラスで同時配信します。
大岩監督「23人全員で次のUAE戦に向かいたい」
23歳以下日本代表の大岩剛監督は、レッドカードによる退場処分で1人少ない状況が続いた試合展開について「アクシデントは想定していたとはいえ、なかなか厳しい試合になった。これを次に生かしたい」と振り返りました。
そして「戦術的な要素は選手に伝えたが、あとは個人の戦術だったり、攻守においてのつながりが非常によく出ていた」と粘り強い守備で無失点に抑えた選手たちをたたえました。そして「回復と分析をして、23人全員で次のUAE戦に向かいたい」と話しました。
“タフな戦い” 初戦から現実に
「アクシデントは想定していたとはいえ、なかなか厳しい試合になった」。
試合のあと開口一番にこう述べた23歳以下日本代表の大岩剛監督。
アジアの難敵を相手にタフな戦いを覚悟しつつも、それが現実となった実感が込められていました。
1996年のアトランタ大会以降、8大会連続のオリンピック出場がかかるアジア最終予選。
大会に先立って行われた代表発表の会見で大岩監督は「短期間で6試合を戦うので、タフでなければならない。勝ったり負けたりいろいろある中で、ぶれずにアクシデントにも対応できるような選手たちを選んだ」と選手たちの精神面の強さを強調しました。
1次リーグの初戦、中国戦。
日本は松木玖生選手の鮮やかなボレーシュートでさい先よく先制したものの、レッドカードで退場処分が出て80分近くを1人少ない状態で戦いました。
押し込まれる展開が続く中、選手たちは大岩監督が口にした「アクシデントに負けないタフな戦いぶり」を実践してみせました。
数的不利の状況でゴールキーパーの小久保玲央ブライアン選手が好セーブを連発しゴールを死守すると、キャプテンを任された藤田譲瑠チマ選手を中心に互いに声をかけ合って決定的なシーンを何度も防ぎました。
大岩監督は、選手たちのピッチでの姿を「個人の戦術や攻守においてのつながりが非常によく出ていた」とたたえました。
みずから招いたアクシデントをチームで乗り越え、苦しみながら手にした勝ち点「3」。
この経験は23歳以下の選手たちにとって、パリの切符をつかみ取るために何ものにも代えがたい“良薬”となりました。