東京, 9月28日, /AJMEDIA/
産経新聞
南カフカス地方の旧ソ連構成国、「カラバフ」を巡る紛争で、アゼルバイジャン国境警備当局は27日、自治州内のアルメニア人系勢力の実効支配地域で元「首相」を務めたバルダニャン氏を拘束し、首都バクーに連行したと発表した。バルダニャン氏は今後、自治州の実効支配や紛争を主導した罪などで刑事訴追される可能性がある。
アゼルバイジャンは19日、国際法上は自国領であるカラバフに駐留するアルメニア軍を排除するためとして「局所的な対テロ措置」と称した軍事行動を開始。アルメニアを後ろ盾としてきたカラバフ内のアルメニア人系勢力は20日、事実上の降伏を表明した。アゼルバイジャンは今後、カラバフでの施政権を回復する方針。アゼルバイジャンは27日、軍事行動で自国軍人192人が死亡したと発表した。
カラバフ内のアルメニア人系勢力の実効支配地域では、弾圧を恐れてアルメニアへの避難を図る住民が増加している。インタファクス通信によると、アルメニア政府は27日、カラバフからの避難民が4万2千人に達したと発表した。
カラバフを巡るアゼルバイジャンとアルメニアの対立は30年以上、続いてきた。2020年秋に双方で計5千人が死亡する大規模戦闘に発展。アルメニアと同盟関係にあるロシアの仲介で停戦が成立したが、その後も武力衝突が散発的に起きてきた。